クライミング・・からだの動きを考えるための掲示板

 コロナが、このHPにどう関係するのは分かりませんが、この3,4月は訪問者数が減っていって、私のモチもダウンし、原稿も大幅に遅れてしまいました。ところが、自粛解除から、伸びはじめ、昨日で月間訪問者数は1244人になりました。延べ人数ですが、1日40人を超えています。

 また、パスワードの請求も、昨日で60人になりました。月に10人近くになることもあります。ただ、KINDLE本は伸び悩んでいます。電子本で500円は高いんでしょうね。しかし、苦労を考えると、安く設定する気にはなりません。売名でやっているわけでもありませんしね。

 ところで下巻がやっと山場を越えました。11月頃には発刊したいと思っています。外岩の登りの分析で、手を焼きました。定量分析までは至りませんでしたが、このような試みはないだろうと思います。

 ほんとうに目途がついたら、上下巻セットのサービス価格での提供を、このHPで発表します。もうすぐです。

コメント: 22
  • #22

    川北長雄 (水曜日, 19 2月 2020 21:08)

    昨日の訪問者が1123名/月。これが、当面の最高でしょうね。まさまささん、楽しんで登るのが一番です。なかなか、その境地には達しませんが・・。

  • #21

    まさまさ (日曜日, 09 2月 2020)

    アドバイスありがとうございました。現在インドア、外岩各1回/週。女性で歳もいってるので、一応Cモードも混ぜて登ってるように思います。オープンで握る癖があって、パンプはほとんどしません。インドアでていねいに登ることを心掛けたいと思います。

  • #20

    川北長雄 (木曜日, 06 2月 2020 08:29)

    きのう、月間の訪問者数が1064人を記録、最高値を更新しました。

  • #19

    川北長雄 (月曜日, 03 2月 2020 16:19)

    <<パスワードお問い合わせの皆様への返信=②>>


    ▽ ま○ま○ さんへ:10年のアルパイン歴があり、フリーに転向してグレードが伸びない、ということですが、失礼ですが、アルパインから入られた方の典型の一つですね。 結論から申しますと、アルパインの登りの方法が刷り込まれているのです。刷り込みから脱するのは、大変です。ただ、これまでのハウツー本は、ほとんど参考にならないと思いますが、私のHPないしKindle本では、クライミングを構造的にとらえているので、お役に立てると思います。
    あなたの場合、私の上達曲線でいいますと、上達と停滞の分岐が10bぐらいになっていますが、筋力などの向上で、それが11aにまで来ているということだと思います。
     登り方で言いますと、Bモードで11aまで来ていますが、それ以上は無理なので、Cモードをマスターすれば、11後半や12に手が届くと思います。
     HPの00章00節をお読みになればいいと思いますが、ウインパーやヒラリー、テンシンの時代を歩いて来られ、フリーの時代に入ってきているわけです。

     外岩でグレードを上げたい気持ちは私も外岩出身なので分かります。しかし、身体の動かし方を整理し、合理的に把握して、向上させるには、インドアがいいと思います。 インドアでティルティングから始め、Cモードを身に着けるのです。切り替えしまでできれば完成です。
      外岩の身体の動きは、要素が複雑になり、中間的、あいまいな動きになって、はっきりとした力学でとらえきれないのです。自分がいま、何をしているのか、はっきりしないのです。結果、これまでのクセの繰り返しになり、クセを強化するだけになるように思います。
     ただし、インドアはルートの練習をしてください。ボルダリングの練習は強くなるでしょうが、ルートを登るには適しません。ボルダリングとはBモードで登ることであり、アルパインとよく似ているので、ほぼ同じです。
     大切なのはフリーのモード(Cモード)を身に着けることです。それを身に着けても、Bモードにはすぐ戻れます。あたらしいチャネルを身に着けるのです。
     そしてインドアでCモードを自分のものにしたら、これを外岩に使うのです。この動きは、今春発売する下巻に<外岩の登り方>としてまとめますが、ご自分でもできると思います。
     とりあえず以上です。何か疑問点があれば、いつでもご連絡ください。
     


    ▽ か○ さんへ:

     前傾壁が苦手ということですが、これは、Kindle本やHPの30小あたりに出てくる静的フォームで登ります。側体の姿勢やティルティングといったCモード関連の動きです。手で登ろうと考えないで、背なかで登ることです。手で登れるわけがありません。
     グレードが10Cということは、上達曲線のちょうど分岐におられるのだと思います。はじめから強傾斜よりも薄被りぐらいで、Cモードを練習されるのがいいと思います。 ブレイクできるかどうか、筋トレを目指すのではなく、疲れないかたちをみつけることです。10cでしたら、動きを工夫すれば、パンプしないで登れます。書いていないかもしれませんが、落ちても問題のない人工壁の下部を手足きめずに自由に、切り返しでトラバースを繰り返してください。Cモードの何たるかが分かります。



    ▽ mar○○ さんへ:

    なかなか機会がないみたいですね。みんな身体の姿勢(垂直に立てて)を保持しようとするのですが、クライミングの極意は、身体を倒すことにあります。 
     その際、ガニマタの足では、身体は倒せないので、倒す側の足先を内側に向け(女性のウチマタ姿勢です)、アウトサイドを使って身体を倒します。これができれば、倒すのはかなり楽です。
     必要に応じて、ガニマタになったり、ウチマタになったりし、足もステップして、フットワークを行うのが、クライミングです。一方に倒していて疲れたら、反対側に倒します(それに応じて、足の向きも変えます)。
     ホールドや傾斜によって、大きく倒したり、軽く倒したりするのです。そうすると、私の言うティルティングになり、手も伸びて、手への負担もなくなってきます。10a,bでは、手の保持力というより、身体の倒し方、それにともなうメリハリです。
      文章ではわかりにくいと思います。質問があれば、またご連絡ください。

  • #18

    川北長雄 (月曜日, 03 2月 2020 16:15)

    <<パスワードお問い合わせの皆様への返信=①>>

    正月に少し留守をしていたあいだに、数多くのメールをいただき、また帰って来てからもいただいて、以下にご返事をまとめてさせていただくことにしました。私も勉強になりますし、皆さまも他人の問題をご覧になることで、登りの改善のヒントとなると思います。
    なにしろ、情報量が少ない中でのお返事ですので、間違っている可能性もあります。一般論として受け取っていただくと同時に、違っている、おかしい、と思われたら、ご遠慮なく、反論のメッセージをいただければ幸いです。
     今後のHPづくり、そしてkindle本の下巻制作で大変参考になりました。ありがとうございます。以下、7名のお問い合わせの方(順不同)のお返事です。名前はわからないよう伏字にしております。

     なお、昨日でHPの訪問者が、月間1000人を超えました。ありがとうございました。
                        川北長雄

     文章が多くて入りきれず、続きは②になります。表示の順は逆になってしまいますが、ご了解ください。



    ▽ 〇〇〇おじ さんへ:

    クライミング歴4年で、12を登られているというのは、すごいですね。わたしは50歳を過ぎてから始めたということもありますが、8~9年かかっています。ピンチが強いというのは、手の力があるということでしょうね。
     スローパーは手の力というより、身体の位置取り、沈み込みなんでしょうね。パンプするというのも、それだけではないでしょうが、同じ原因かもしれません。
     ちなみに、私はパンプをしたことがありません。みんな不審に思うのですが、実際そうなのです。身体が疲れたり、手が保持しきれなくて落ちます。
     手首に致命的な欠陥があり、手で持つことを極力回避してきた結果かもしれません。



    ▽ surf 〇〇〇 さんへ :

     Kindle 本 の購読ありがとうございます。外岩とインドアの違いの分析は難しいです。私の書いたのがすべてではないです。今春発行の下巻(遅れそう)には、<外岩とインドアの違い>のところに、(外岩の登り方)という節を入れる予定です。内容もさることながら、表現が難しくて、困っています。外岩の登り方で、ご意見をいただければありがたいです。



     ▽ タ○○ さんへ:

    強傾斜の持久力がないということですが、ボルダーから入られているようなので、やはりBモードで登るボルダーの動きを引きずっているのですね。
     ティルティングから、Cモードを身に着けることが大切と思いますが、そこそこ登られているので、切り返しの動きの完成でしょうかね。



     ▽ M〇〇 Sch〇〇〇 さんへ:

    ご指摘は実は、インドアの競技としての在り様、限界を言われているのです。
     私が思うに、インドアには競技として2つの限界(欠点)があります。
     まず一つは、ご指摘のように、背の高さ(リーチの長さ)が、決定的なハンディとなってしまうことです。ホールドに届かなければ、クライミングにはなりません。
     しかし、方法がないわけではありません。端的な話、手で届かなければ、足で身体をあげて、そこから手を伸ばすのです。その典型が「手に足」ですが、これを実現するのは、身体の柔軟性です。なるべく足を高く上げて、そのスタンスに乗り込んで登るのです。背の高い人には敵わないかもしれませんが、かなりハンディを補えます。

     ところで、背の高い人は絶対有利、と思うかもしれませんが、彼らにも結構、問題があるのです。まず、狭い設定の課題で困ります。身体を小さくできないのです。
     加えて、スタンスを中心とした、てこの原理を考えればいいのですが、背の高い分、そして手の長い分、モーメントが大きくなります。
     つまり、身体が後傾して倒れる力が大きくなり、身体を支える筋力(腹筋など体幹)が、背の低い人以上に必要になります。身体が崩れてしまうのです。
     このようにハングでは、背の高い人はむしろ不利になり、逆にチビッ子の方が有利になります。背の高いのに意外に登れない人が多いのは、このためです。

    さらに、背の高い人と低い人のホールドを取れる高さの差が、壁の傾きによって違ってきます。やって見ればわかりますが、壁の傾斜が強くなるほど、背の高い人と低い人の差はなくなってきます。
    いちばん差が出るのは垂壁でしょうね。これは誰が考えても分かります。背の高い人ほど、遠くのホールドをつかめます。
     しかし、背の高い人のリーチの長さは傾斜が出てくると有利さを相殺してしまうのです。どういうことかと言うと、ハングでホールドを持つと、リーチの長い分、身体は後方にのけぞって倒れ、壁から離れますよね。つまり、手は長いが、その分、身体は倒れるので、取ろうとするホールドは遠くなるのです。手の長さによる有利さは消えてしまいます。
    おまけに、最初に見た、てこの原理、モーメントの問題があります。ですから、背の高い人は2重に不利になります。ただし、体幹が強ければ、不利は解消できますが、それでも不利は不利です。

     一般にクライマーの身長は167~8-172~3cmが一番向いているといいます。このようなクライミングに向いた背の高さの話は、以上のようなところから来ているのです。
     なお体形としては、胴長、短足、手長がいいと思います。
     したがって、自分に有利、不利、得手、不得手というものが出てきますので、それを認識し、自分の強みを生かしてクライミングをされたらいいのでは、と思います。
     
    ドイツの壁ですが、わたしもベルリンで2度ほどインドアに行ったことがありますが、それほど身長差は感じませんでしたが、ルートは大味だなと思いました。
     ただ、クライマーもセッターも体形が大きいわけで、設定も当然そのような人向きになっておかしくありません。日本に帰ってこられたら、違ったように思われるかもしれませんね。ですから、ホールドが遠くて難しいということもありますが、近くて狭い、あるいはかぶっているというのも、一つの要素です。
     なお、もうお気づきでしょうが、以上の結論として、外岩は万人に平等にできているといえます。なにしろ、岩全体がホールドであり、スタンスであるわけですからね・・。

    さて、もう一つだけアドバイスしておきますね。届かないホールドに、「手に足」などの柔軟性がカギと言いましたが、これは、必ずしも、外岩で有効ではありません。「手に足」は、外岩では出てきません。というより、スタンスはいくらもあって、わざわざ、そんな限定ムーブをする必要がないのです。また、足を高く上げるのは、良くないです
    Kindle本(上巻)で書いていますが、インドアで登れるようになったから、外岩でも登れるとか、外岩に行くためにインドアで練習する、とかいう発想も危険です。両者は重なる部分もありますが、一方が他方にマイナスとなる部分も大きいです。
     さらに、ボルダーとリードは、これまた違います。これもkindle本で書いています。クライミングというのは①力とワザの組み立て ② 重力の捌き、の2つで出来ているのですが、ボルダーはほぼ①に特化したスポーツです。

     いまの世の中、プロのクライマーを筆頭に、①だけがクライミングだと思い込んでいます。これは一種の3段論法ですが、世の中、3段論法で片付くほど簡単ではありません。
     そして、写真を使ってビジュアル化し、いかにも誰にでもわかる、としてハウツーを論じている本ばかりです(そんなこと、すぐに誰でも思いつきますからね)。
     ハウツー本はそれはそれで、参考になります。とくにボルダーだけをやるのなら、それでいいと思います。ただ、クライミングとしては、基本のところが違っています。
     だからルートで、登れるはずなのに、登れない人、無駄なことをやっているビギナーが続出しているのです。

     もうひとつ、ホールドの保持力ですが、ピンチ以外、手の小さい女性が有利だと思います。相対的にホールドが大きくなるわけですからね。それと、これは私の方法ですが、問題は手の力でなく、どのような体勢を取れば、手に力がかからないか、ということを考えたほうがいいと思います。年齢にもより、個人差もあって、手の力、指の力は、強化の余地が少ないと思います。

     最後に、クライミングの競技としての、もう一つの問題点を言っておきましょう。この競技のユニークな構造ですが、次のようになっています。すなわち<設定=謎かけ>対<登攀=謎解き>という構造です。こういう構造の競技を私は寡聞にして知りません。

     設定は秘密なのですが、これが事前にわかったら、どうなるでしょう。オリンピックなど国際競技で設定の秘密が守られるかどうかは、怪しいです。どことは言いませんが不正など当たり前と考えている国はゴロゴロあります。ちょっとしたヒントで、有利不利が出てきます。
     それと、ホールドメーカーが作るホールドの種類には限りがあり、ホールドの形を暗記しておくという方法もあります。このほか、壁の構造の未来、ということも、HPで書いています。

  • #17

    川北長雄 (土曜日, 01 2月 2020 12:10)

    、 訪問者数が、月間で992人になりました(1月31日現在)。念願だった1日30人、月900人を達成、この2-3日中に1000人は突破できると思います。訪問者の動きには、波があり、多いときは56人というのが最高で、40人以上が結構続きますが、すぐに息が切れて、ときに10人以下というときもあります。そのため、平均で30人というのは、なかなか難しいわけです。
     このHPは、どこにもリンクは張っていませんしなかなか、PRもしていません。むしろ知り合いにはなるべく伏せていて、訪問者のほとんどが、検索でたどり着いた、という方ばかりです。わかっていただける方だけでいいのです。
     それに、ブログではありませんので内容が、たびたび新しくなるわけではなく、これも訪問者を増やす要因にはなりません。たしか内容変更があったのは、直近で7-8か月前じゃないかな、と思います。
     それにもかかわらず、このレベルの訪問者数は、皆さまの評価のおかげ、内容を評価してもらってのものと、自負していいいと思っています。ありがとうございます。

  • #16

    川北長雄 (金曜日, 20 12月 2019 08:48)

    CH〇Eさんへの登りのSOLUTION

     ほとんど情報がない中での、SOLUTIONですから、間違っているかもしれません。
     いちばん陥りやすいのが、ホールドの持ち方、引き方に関して、考え違いをしていることです。表現が難しいのですが、ホールドは手で引くのでなくて、引く圧力が、手から肩、さらに上体にかかるように、自分で身体の位置どりをするのです。(ここで「引く」と言っていますが、登り自体は、手は止めたまま、できるだけ足で登るのです。もちろん、手を使うこともありますが、基本は足で登るのです)

     ホールドからくる圧は、できるだけ、身体の下方に来るようにするのが理想です。下半身(腰)まで来るようにするのは難しいですが、胸部ー腹部(腹筋)で受け止めるぐらいまでしなくてはなりません。肩ではだめです。ようするに身体全体で受け止めるのです。
     そのためには、圧力のベクトル(方向)に沿って、たとえば身体をホールドの下に入れるのです。あるいはホールドが身体の横にある場合でも、身体全体でホールドを引けるように身体の位置取りをしなくてはなりません。
     このとき、引く方向(位置取り)は、手が接するホールドの傾きに応じて行います。比ゆ的に言うと、ホールドの傾きに耳を傾け、身体を倒す、あるい腰を落とすのです。けっして、手で、あるいは肩で、ホールドを持とう、コントロールしよう、などと考えてはいけません。

     ボルダリングは、あまり意識的に、このような動作をしないのです。胸から上を使い(それでも手だけをつかうよりは、まだいいほうですが・・)登りを実現しようとします。
     それは、下半身まで使うと、身体の動きが大げさになり、、細かいコントロールや、テクニカルな動きがしにくいからでしょうね。しかし、ルートは核心ならともかく、ルーティンな何でもないところで、テクニカルな動きは必要ないし、パワーロスになるだけなので、上半身に依存する登りは避けるのです。圧は、腹部まで持ってくるような姿勢どりをするのです。
     パンプ以前に、疲れるというのは、ほかにもいろいろ原因があるとおもいますが、まずこんなところが、よくある症状でしょうね。そして、これがこなせるようになったところで、じつはパンプの悩みが始まります。そのことはHPの本文で説明しています。

  • #15

    川北長雄 (火曜日, 01 10月 2019 18:43)

    韓国ソウルで明日、10月3日、文在寅糾弾の100万人デモがあります。70歳以上のキリスト教の指導者たちが、「われわれはもうすべてのことを経験した。韓国の未来のために死んでも惜しくはない」とし、青瓦台に突っ込むと言っています。チョグックは、以前から主体革命で反革命分子200万人を殺すと言っています。じっさい、革命が成功すれば保守系、財閥系、宗教者団体など大虐殺があるでしょう。
     きょう香港はどうなっているのか、中国の国慶節に向けて、こちらの方も大混乱になりそうです。そして、来年、蔡英文が万一、総統選に敗れれば、東アジアの情況はのっぴきならないことになるでしょう。
     すでに尖閣は日中関係が、表面的な改善の中でも、中国艦船の領海侵入はほぼ毎日、恒常的となっていて、ほぼ中国の実効支配状態になっています。
     かっての日本の特攻では、きっと、これどころでない、差し迫った情況で、若者が米艦船に体当たりしていったのでしょう。
     ひょっとしたら、10年先には、日本を巡る情況は、核の脅威で、さらに切迫した事態を迎えているかもしれません。そのとき、われわれは、どうするのか?死に場所はいくらでもありますよ。
     これまでお世話になった、お国、日本にどのように、報いることが出来るか、その機会が巡ってきたら、私もこの老骨で躊躇なくご恩返しできるだろうか、まだ自信がありませんが、死に場所を思い、ときどき感情が高まるときがあります。

  • #14

    tatu500 (日曜日, 29 9月 2019 11:33)

    川北さま
    私にとってのクライミングは生きる為に死に近づく行為です。そういう意味ではジムクライミングは実戦ではなく演習です。クライミングはスポーツであるという考えにも同意しますが、危険な行為を行って生還することだと思ってます。

    真のクライミングは落ちるのが許されない状況のアルパインクライミングなどではないでしょうか?アレックス・オノルドのフリーソロは我々クライマーの理想の姿かと思います。彼のクライミング思想にヒントがあると思います。またロープを使うには仲間も必要です。件の映画も彼の友人である多数の人の存在が成功の背景にあるのが判ります。私も現在のパートナーと組むようになって外岩で恐怖感無しで遠いホールドを飛びついて取れるようになりました。
    https://www.youtube.com/watch?v=WJhxaii2Z8s

    昔、クライミングパートナーは友人(親友)でないとダメと云われたことがありました。その頃、私は登れれば誰とでも組んでいました。今はその言葉の意味はよく理解出来ます。

    故、ウォルフガング・ギュリッヒもエキスパートはオンサイトクライマーで頂点はオンサイトフリーソロと著書で記しています。登攀の思想はオンサイトすることと書かれています。私の尊敬するクライマーもフリーソロの信奉者でした。しかし、家族など周囲の問題で理想系が取れないので妥協点としてロープを使うのではないでしょうか?ボルダリングでもノーマット、落ちたら骨折は免れないハイボルダーにトライする方々もおります。私はクライミングはスポーツではなく思想だと思っています。

    ギュリッヒの「フリークライミング上達法」が技術書の最初かと思いますが、これのP91、図10にCモードの概念が示してあります。この場合はレストでなく、前進の為です。ボルダラーも2段以上登る人はこの辺の技を多用します。以前このレベルのクライマーにジムで5.12aのコンペ女子コースをやってもらったところ初便でゴール落ち、2撃しました(ハーネスはレンタル、予備練習なし)。
    ロープもクリップも初でした。有段者はCモードを使いこなせていると思います(足なくてもかなり登れますが)。

    私がクライミングを始めた頃は初学者が学ぶ環境など皆無で週末はジムはがらがら、皆外に行ってました。故にクライミングは教わるものではなく人のを見て盗むものでした。初学者が学ぶ環境の構築というのは我々、年配者が考えなくてはならないことと最近は考えています。

  • #13

    川北長雄 (日曜日, 29 9月 2019 07:56)

    tatu500さま、ご返事有り難うございます。
     モードについては、私などより、理解されているみたいで、素晴らしくて、感激しました。私は分かっていても、とてもルートの設定など出来ません。
     Cモードの概念を見つけたきっかけは、ベースキャンプで出会った若い女性でした。彼女は力があるのに、どうしても大壁がのぼれない。力尽きてすぐに落ちる。自分の登りとどこが違うのだろう、何故落ちるのだろうと、考えたのがきっかけでした。
     女性ですので、重心を外すのに、恐怖心が出て、どうしてもCモードの勇気が出ないのです。女性がハングが苦手なのは、ほとんど、そのためでしょうね。
     しかし外見から重心の位置を捉えるのは、大変でした。もっとも、以前から、Cモードは意識していましたが・・。
     ルートに関しては、ほぼ謎は解けたと思っています。それもこれも、彼女のおかげです。

     私のようなアスリートタイプにほど遠い人間が、クライミングを長年続けることになったのは、いま思えば謎解きでした。ジャパンカップで上位入賞のクライマーのスクールも、冷やかしか、といわれながら受講しました。ボルダー教室で、何を教えているか、見に行きました。それも何人も・・。

     登りは、それはうまいです。応用問題の解析には断然有効です。しかし、登りの基本の解析として、参考になる話はなかったです。失礼ですが、あんなに登れるのに、自分の動きを自覚し、仕組みを分かって登っているとは思えないのです。そういう人たちが、ビギナーを指導して、それは違うだろう、という話が多かった。実際、ほとんどのインストラクションは、テクニックだけ、あとは登って見せて、なぞらせる。それ以上のものではありません。
     私はよく、ビギナーの登りを、こっそり見るのです。どこが違うのか・・。おかげで、いろいろな欠点、動き方が見えました。
     うまい人の登りは、力もあるし、並の人が届かないホールドも取れます。どのような動きをすればいいか、どのホールドをとるか・・・しかし、それは応用問題の回答です。ビギナーに参考になるはずがない。私はそのことに憤慨していたのですね・・。
     しかし、基本のルーティンの登りが、どのような仕組みかは、動き自体複合していますから、応用問題を解くより、むしろ難しいのです。 

     きのう、クライミングの本質、秘密は奈辺にあるか、というコラムをまとめていました。みんな、登りが難しくなるほど、そこにクライミングの本質があり、秘密があると思っています。そのような質問をこのHPで受けたこともあります。
     しかし、それは応用問題の解法だと思います。そうでなく、秘密は、われわれの普段の登りの目の前にある・・。
     メーテルリンクの青い鳥の幸せの所在が、遠い彼方にあるのではなく、目の前にあったと、いう話とダブらせて書きました。
     それと、もうひとつ、世界(クライミング)の現実は生半可の理系人がかんがえるような、ツリー構造ではない、計測で捉えられるものではない、そうでなくて、多面の観音像である。この説明だけでは分からないと思うので、そのうち、アップしますが、これが、わたしのクライミング観です。

     ただ残念なことに、クライミングの謎が私なりに解けてきて、実は私のクライミングのモチベーションも色褪せてきています。ひょっとしたら、世間で謎解きが進めばブームも終焉になるのでは、と予感もあります。 

     勝手なことを書きました。ただ本稿は、ボルダリングの解析はまだ不十分なので、この1年で、「わかった」というところまで、達したいと考えています。それが終われば、クライミングは卒業かも。
     あ、そうだ、榛名のつるは2-3撃でしたね。あれはCモードなのですか? 私はCモードが好きみたいです。 私のグレードは同じぐらい、12前半です。13になれば、秘密がわかるのでしょうかね・・。

  • #12

    tatu500 (水曜日, 25 9月 2019 18:40)

    川北さま
    自己紹介がまだでした。詳細はIDから検索して頂くとして、アルパイン系のクライミングを目指してジムに通い始め16年経過しました。現在外でリード5.12前半、ボルダー1Q程度です。南沢大滝冬季フリー、明星フリースピリッツ、瑞垣調和の幻想等を過去に登りました。

    当方地元に榛名黒岩がありますが看板ルートに「つる」5.11b、「あひる」5.11cがあります。ボルダーを短期間で1Q~1D登れた若者にリードをさせると(ジムでロープは覚えてもらいます)「つる」は初見で半分まででフォールしてしまうのが、「あひる」はオンサイトします。これはおそらく「つる」がCモードを多用し、「あひる」は核心がBモードであることに起因すると思います。

    長物ですがボルダーで3Q程度の課題を設定し、その課題をCモードに崩して手の負担を減らすムーブと2通りの選択肢を与えます。Cモードで登ってもグレードはほぼ同じです。次に長物にする為に前半に登り4Q、下り4Q程度を作成し3課題を繋げます。前半はCモードで楽に通過やレスト出来るポイントを与えつつBモードでも単課題なら楽に突破出来る構成にして腕に力がはいりやすい構成にします。力を抜くことを考えるリードクライマーはレストポイントを探しますが、ボルダラーは両手ガバをBモードで片手づつシェイクしてレストします。Cモード箇所を見逃しているのでガバでも回復出来ず核心手前で落ちてしまいます。設定グレードは11後半~12前半トライするのは1Q~1Dレベルの人達です。

  • #11

    川北長雄 (火曜日, 24 9月 2019 10:57)

    コメントありがとうございます。読みにくくて申し訳ありません。何しろ様々な考えに思いを巡らしすぎて、前後の文章とちぐはぐになったり、残稿が散らばっていたりします。また現実はカオスで、秩序だった分別、整理には限界があり、これを編集するのに手を焼いています。ただ、これは技術書を目指したものではありません。不明なものを解析しようというのが趣旨で、技術を目指す方々に、口はばったいですが、誰も考えなかった思考を提供する。それだけです。
     ところで「このページの内容にヒントを得て、20手強の長物を設定し・・」とありますが、分析だけの本稿から、ボルダーの設定が出来るのでしょうか?どのような方法の、どのようなものか、ぜひ教えてください。本稿の内容充実に役立てばありがたいのですが・・。
     なお、このところ、少し構成に手を入れ、クライミングの基本解析で核心部分の2章~3章2節まではほぼ完成しました。あとは、具体的な話なので、もう仕上がりも近いと思います。

  • #10

    tatu500 (月曜日, 23 9月 2019 08:59)

    川北さま、興味深く記事を読ませて頂きました。文章だと何度か読まないと理解困難な箇所もあり、動画で表現出来れば多くの人が判り易くなるのではと思いました。このページの内容にヒントを得て、20手強の長物を設定して強いボルダラーにやってみてもらったところ面白いように落ちました。今まで無意識に行っていたことが意識化出来て感謝しております。

  • #9

    川北長雄 (木曜日, 20 6月 2019 09:53)

    きのうで月の訪問者数が800人を越えた。さすがに700人(6/6)から、800人までは時間がかかり、約2週間かかったことになる。PVは2517,モバイルの比率が66%であった。
     そろそろ増加数が寝てきて当然だが、1ヶ月前の今頃は、毎日の訪問者数が20人台だったので、いまの30人ペースが続けば、900人には半月ほどで届くだろう。
     じつは、いま、一太郎で完成原稿を作っている。できたら、秋にアマゾンで電子出版しようと思っている。ただ、過去の原稿を読んでみると、かなり入り組んだ思考に迷い込んでいて、これじゃ読む方が大変だと思う。それで、ばっさ、ばっさと不要な部分、繰り返しの部分を削除している。
     私の思考の方法論は、いつも文章を書くことだった。文章を書き、それを見直すことで、思考の客観性をチェックしてきた。また、どのように書けば、つまり考えれば、理屈として、他人を説得できるかを考えてきた。
     なんども人生の岐路に立った。そんなとき、他人に相談しても、ろくな回答は得られなかった。それよりも、この方法がはるかに客観的で、思考も深まる。自分の妄言、妄想もチェックできる。
     ただ、ひとつ欠点は、大勢の人たちの平凡な考えから外れてしまうこと。平凡な考え、あるいは大して考えていないこと、じつはそれに憧れるのだが、それはどうしてもできない。考えることの宿命である。

  • #8

    川北長雄 (水曜日, 12 6月 2019 07:25)

    <ボルダーの身体の動きと、ルートフリーの身体の動きについて>の続き・・1コメント5000文字しかはいらないそうなので―――

    ●意識しなければ矛盾する練習
     わかりにくいと思うので、最もわかりやすいひとつのパターンをあげてみよう。ここでもクライマー、天代(てんだい)さんに登場してもらおう。

     彼女はグレードとしては10レベルで、垂壁登りが得意。カウンターバランスもできるが、十分にCモードになっておらず、体側姿勢に尻込みし、重心の移動、重力の逃がしが十分にできていない。   
     そういう彼女がレベルアップのためには、ボルダー力が必要と考え、ボルダーを練習する。 
     ボルダーがどのような動きか、さんざん言ってきたが、結局、Bモードで上体を使って(最初は上体の伸びなど、出来っこないが)ホールドを取ろうという動きである。
     彼女は、ルートの登りで正対から脱し切れておらず、その脱皮が課題なのに、ボルダーの練習では、正対姿勢から上体起こしの動きの強化練習をしていることになる。

     ルートでCモードの習得中なのに、ボルダーを練習してBモードでホールドをとろうとする
    ――これでは、何を練習しているのか分からない。練習する意味がない。訳の分からないクライマーができあがる、少なくとも、行きつ戻りつ、試行錯誤に膨大な時間をかけることになるだろう。
     要するに、動きの意味を理解して、意識的に練習するのならともかく、ルートの練習をしているときに、力をつけるため、と言って、ボルダー登りを練習することを、私がお勧めしないのは、この理由からだ。
     Cモードを習得するには、少し時間を要するのだ。そのときに、正対の練習をしていては何にもならない。

     このように、クライミングのトレーニングというのは、何もかもやみくもに、意味も理解せず、表面的なノウハウ、ハウツーを学ぼうと、こういうことを繰り返しやってきた。

     ●ハウツーでしばしば起きる混乱
     この論考で、ハウツーでは、結局、問題解決にならないと主張しているのも、このような理由からだ。上級者がトレーニングする視点で考えることと、基本を身につけようとする学習者に混乱をもたらさないトレーニング方法は、基本的にちがっていてとうぜんだ。
     このような例はこのBモード、Cモードの混乱の例にとどまらず、いくつもある。

     たとえば、ボルダラーがルートを攻略しようと考え、よく取る対策に、ボルダー壁の長物でのトレーニングがある。
     ボルダーというのは、10手からせいぜい20手程度である。ルートで行き詰まるのは、そのような手数の多いクライミングをしていないからだ、と考え、ならば、ボルダー壁の長物で、持久力を鍛えようと、思いつく。
     外岩のツアーに行く前に、ルートのトレーニングだとして、そういうことをやる。

     ただ、ボルダーの長物は、ボルダラーが設定しているだけあって、やはりボルダーだ。重心をはずしたり、平衡カウンター、フラッギングなどの動きはまずない。効果的なステップが必要な切り返しなど、出てこない。ぜんぶ押さえ込みだ。
     もちろん、そういう長物でも、Cモードを使うことが出来、意識してやればルートの練習にはなる。しかし、実際にとりついているボルダラーの動きはボルダリングの域を出ていない。

     結局、ハウツーは根本の洞察がないので、目先だけに惑わされ、さまざまな混乱を生み出すことになっている。
     むしろ、クライミングの基本的な構造を理解すれば、そこからどうしたらいいか、自分で方法が見えてくるはずなのだ。

      ●ボルダラーはなぜルートがのぼれないのか?
     さて、今度はこれまでと反対のことを考えてみよう。すなわち― 「ボルダラーが、なぜ、ルートの登りをうまく、こなせないか?」―という反対の視点である。
     これも考えてみれば、かんたんなのだ。ここでは、掘多(ぼるだ)くんに登場してもらおう。
    掘多(ぼるだ)くんは、ボルダリングがうまい。2~3級は普通に登るし、1級もいくつか落としている。
     そういう彼がルートに挑戦するとしよう。これまで、彼はせいぜい3~4mのボルダー壁を触ってきた。彼のクライミングのフィロソフィー(哲学)は、いわく「フィジカルとテクニック」である。
     しかし、重力を逃がすという発想は知らないし、重心の位置など考えたことがない。そんな話は、リードでも誰も言わない。まして、ボルダリングの世界では、「なに? それ?」というレベルである。

     彼は、リード壁を5.9ぐらいなら、1登目は登る。しかし、これが、2登、3登目になると、もういけない。
     手が疲れてきて、落ちないように、手でしがみつく。それでも登ろうというわけで、身体を伸ばし、上部のホールドを取ろうとする。しかし、そのことでさらに疲れる。こうなると、もう登りにならない。

     彼の登りのどこに問題があるか、というと、結論的な話になるが、重力を逃がすこと、ができていない、そのための身体の重心外しを知らない、と言うことだ。
     壁の下には、「パンプしないように、手を伸ばせ」と指導し、足の位置、目指すホールドなどを指示してくれるインストラクターがいる。「右足をあげる、そこで乗り込む。次は左のうえ」と、ちくいち下から声をかけてくれる。
     しかし、彼は命令で動くロボットでない。はたからは聞いていると、「なんと、そこまでいうか・・」と言う気持ちになる。 
     下積みはつらい。人に言うことを、ちくいち聞いて手足を動かす。しかし、それで何が分かったというのだろう。「練習すれば、そのうちできるようになる」――先生もそう言うし、教わる方は、それを信じるしかない。

     しかし、堀多くんが上部のホールドを取る動きをみると、さすがにボルダリングで鳴らしてきただけあって、無理な体勢から、よく取れると思うホールドを取っている。しかし、それも何回かであって、そのうち疲れ果てて、テンションでお休み。高所になれない恐怖もあるから、力が入っていることもある。
     足の動きを見ると、カウンター的な動きもある。しかしBモードのカウンターなので、カウンターを打っているときも、手はしがみつきになり、力で身体を壁に寄せていて、ぜんぜん力が抜けていない。

     課題をこなすテクニックや、それに伴う足使いは、ボルダラーも上級者になると結構うまい。しかし基本となる身体の裁き、動き方はルートのそれとはちがうので、テクニックは結局、小手先の域を出ない。
    ボルダラーが考える「フィジカルとテクニック」――その二つともあるのだが、ルートで大切な肝心のものが抜けている。

     ●お三方へのアドヴァイス
    最後に、利井戸くん、天代さん、掘多くんへのアドヴァイスを書いておこう。

     ●利井戸くんへのアドバイス
     利井戸くんの場合は、ルートを登るのならそれでいい。ただ、ルートで、さらにグレードアップしようとすれば、基礎体力とか、基礎的な身体能力の獲得が必要だろう。
     高難度にクライミングの秘密があり、上級者ほど神髄を体得していると、誰もが考える。しかし、意外に思うかもしれないが、そんな秘密や神髄などない。
     高難度への対応とは一般的な身体能力へとシフトであり、その強化である。 
     テクニックを磨くにしても、そのテクニックだけを獲得するというよりも、基礎的な身体能力なくしては、それさえ出来ない。
     そして、もう一つはボルダリング力で一定程度、活路を見いだせると思う。
     Cモードの動きはできているから、それとは別に、Bモードのボルダリング力を身につけたい。彼のレベルになれば、ルートの登りと、ボルダリングの登りを混同して使うということはないだろう。2つをスイッチして使うことを考えよう。

      ●天台さんへのアドバイス
     天台さんの場合は、ルートとボルダーを意識して練習したい。ルートではきっちりCモードを身につける。高度なカウンターも出来るようにする。
    垂壁が登れて、ハングが登れないのは、Cモードが出来ていないせいだ。ハングが少しこなせるようになってから、ボルダーをやっても遅くない。
    あまり、細かい小技にはこだわらず、登りをスムーズに、のびのびと出来るようにしたほうがいい。小ワザなど、すぐできる。


    ●掘多くんへのアドバイス
     ルートを登ろうということになると、じつは掘多くんが一番難しい。というのも、テクニックやフォーム以前の基本の登り方、身体のさばき方ということになるからだ。
     そのことを本稿ではモードという概念で説明している。要するに、Cモードを身につけることだ。
    身についた身体の動かし方を基本からチェンジするのは難しい。しかし掘多くんがCモードを身につければ、鬼に金棒になるだろう。












  • #7

    川北長雄 (水曜日, 12 6月 2019 07:23)

    あたらしい文章を作りました。HPの中に組み込む予定です。ボルダーとルートのこれまでわかりにくかった違い、位置づけが、これによって俯瞰できると思います。ただし、長文なので、これを2つほどの説に分け、どの部分にどう入れるか、少し検討して、HPの構成を変えていくつもりです。  


    ボルダーの身体の動きと、ルートフリーの身体の動きについて

     ●2つの登りの本当の違い

    ボルダリングにおけるクライマーの登り方(:身体の動き)、そしてフリールートにおけるクライマーの登り方、この2つの登りにおける身体の動きは、どのように違っているか?――意外なことだが、この問題について、しっかりした観察がされておらず、的を射た分析がない。これら2つの登り方を、インドアでの登りのイメージの中で説明してみよう。

     ●ボルダリングののぼりとは
     まず、ボルダリングにおけるクライマーの登りの身体の動きだが、結論から言うと、もっとも特徴的なものは、身体の「収縮と解放(伸張)」である。
     当たり前のことだが、登りというのは、身体を上方に上げ、ホールドを取って、上げた位置で身体を止める。
     端的な話、いかに遠いホールドを取る、ということが喫緊の課題となる。そのために、足を高みに運び、手を伸ばす。しかし、それだけでは簡単にホールドに届かない。というより、届かないようにホールドを設定している。
     それを取るようにするには、いろいろな策があるが、ボルダラーはおもに<上体の起こし>、あるいは<伸び上がり>で、ホールドを取ろうとする。

     そして、伸び上がるために、まず身体を縮め、いわゆるタメを作る。つぎに、タメを解放し、身体を最大限に解放、つまり起こしと同時に伸び上がる。そして目指すホールドを取る。
     つまり足を運びながら、<タメ―伸び>、<タメ―伸び>を繰り返し、ホールドを取る。これが最初に言った身体の「収縮と解放」の動きである。
     ボルダラーはこの「収縮と解放」を上体を中心に行っている。まず、ホールドを(上体で)押さえてタメをつくり、次いで上体で起き上がって、さらに伸び上がり、ホールドを取った後、(上体で)押さえ込む。

     ●ジャンプの時も上体で伸びる
     ボルダリングを特徴づける動きとして、足を使ったジャンプがあり、跳躍を使っているようにみえる。しかし、そのジャンプをよく観察すると、走り高跳びや跳馬、床運動のジャンプとは少し違う。 
     走り高跳び、床運動などのジャンプは、競技の目的から言っても、上体が伸び上がるような動きは必要がない。(身体を上げるために)腰を上げることを課題としている。

     しかしボルダリングの場合は、<足の跳躍+身体(上体)の伸び>という動きである。これはホールドを取ることが目的であるためだ。足の跳躍もさることながら、身体全体=上体も、まずタメをつくり、それを解放し、思い切り伸ばしている。
     このように、ボルダリングは、下半身を使うジャンプの時でさえ、上体を伸張させる。まして、ジャンプでないときは、膝、腰のバネを使っている場合でも、動きの中心は上体になる。
     それが本当かどうかは、科学的に計測するしかないのだが、そのような考察はこのHPの本意ではない。計測してくれる方を待ちたい。 
     それよりも手っ取り早いのは、ボルダラー直接に聞けばいい。ルートの場合よりも、上体の体幹が大事だと口を揃えて言うと思う。
     このときの体幹の強さは、支えたり、保持したりするだけでなく、起き上がり、伸び上がるための強さでもある。


     ●伸びで取るために必要な足の安定

     このボルダリングの身体の動き、つまり<タメ―伸び>の動きには、意外に気づかない重要な前提がある。 
    ――それは、上体を使って伸び上がるためには、力を入れやすく、安定した立位であることだ。具体的には両足立ち、あるいは壁などへの足の押さえが効き、ステップの踏み込みができることだ。これは本稿でもさんざん言っているBモードである。
    これに対して、片足荷重など、安定しない体勢、ステップができない体勢、あるいは重心を外した立ち方では、収縮も、伸び上がり(解放)も十分にできない。本稿で言っているCモードは、このような体勢にあてはまる。

      ●ルートクライマーの登り方
     一方、ルートフリーのクライマーはどのように壁を登っているか?
     彼らは身体を上げるために、オーソドックスで地味な方法をとる。岩登りが登山から発生したから、と言うつもりはない。 しかし長丁場ゆえに持久性を考慮するから、自ずと足の立ち上がり、足の乗り込みを使って、ホールドを取ることを考える。
     さらにパワーセーブの登りをしようとすると、重力を逃がすことが大きなテーマとなる。まともに重力に逆らう正対の姿勢から、体側姿勢や、ティルティングなどの身体の傾きを取り入れる。
     これらの動きが本稿で提示しているCモードである。
     なお、Cモードは決して万能でない。Cモードで登れない壁のパーツはいくらもある。ボルダラーのBモードの登りが、むしろそのとき有効だ。しかし大半はCモードで登れるので、そのときは、パワーセーブできるCモードで登ればいい。
     ボルダラーは、そのようなCモードにおいても、Bモードの一点張りで登ろうとする。反対に、ルートのクライマーはCモードに浸ってしまって、Bモードが使えない。――そういうことなのだ。

     ●ルートクライマーはなぜボルダーが登れない
     では、より具体的に、なぜルートクライマーが、ボルダリング課題に、的確に反応できないのか?理由は複数ある。
     話がごちゃごちゃになるので、ここではルートクライマーを仮に、利井戸(りいど)君ということにしよう(以下、あくまで典型的な一般例として理解して欲しい)。

     利井戸くんが壁に向かうときの姿勢というのは、半身の体側姿勢が身についている。登り始めた頃の正対から、動きが変わってきたのだ。 
     登るときは、手は曲げずに伸ばす。腰は沈み込むようにしている。正対はいつまでも続かないのは分かっているので、彼は無意識的に、身体をわずかに左右どちらかに傾ける。そのことで、重心をはずし、重力を逃がしながら登る。
     本稿で言うCモードである。少なくとも正対ではない。ルートクライマーの一般的なスタイルだ。 
     
    ルートの登りでは、上体を起こしてホールドを取ったり、体幹で伸び上がってホールドを取るという動きは、デッドポイントでもない限り、してこなかった。
    また、足の動きというのは、おもにCモードを作り、そこから足で立ち上がって、上部のホールドを取る、という動きの中にある。それでもホールドが遠いときは、巻き込みやひねりをつかう。
    正対気味で足を踏ん張り、身体を縮めてタメをつくり、次の瞬間、力を解放して、上部のホールドを取りに行く、というボルダースタイルではない。
    体側姿勢ではタメも作りにくいし、伸び上がりの力も発揮できない。要するに彼の登りは足による立ち上がりが中心だ。 
    体幹は弱くはない。しかし身体を保持し、支持する動きになれていても、これで身体を引き起こす動きはしていない。デッドポイントとボルダリングの身体の伸び上がりとは違う。

     結局、彼、利井戸くんのスタイル、動き方は全体的に言って、ボルダリングの動きにはマッチしていない。
     ボルダリングをやろうというのなら、動きを正対中心にもどし、上体の伸張、引きつけの稼働域の拡大、パワーをつけなくてはならない。いままで20cmしか起こせず、伸びなかった上体を、30cmの起こし、伸ばすのだ。

     端的な話、アルパインクライマーなど、物を担ぐことから、体幹はしっかりしている。しかし、それは荷重に耐える動きであって、自分の身体を起こし上げたり、伸張させたりする動きではない。ルートフリークライマーは、体側姿勢をとり、ティルティング姿勢で重心を逃がすことに腐心していて、まともに重力を身体で受け止め、重力に逆らって登る発想はない。

     個々のパーツではボルダー課題は難しいのだが・・
     一般に、ボルダリングの課題から、個々の動きのパーツを取りだしてみると、それ自体はルートのパーツより難しい。端的に言って、パーツの解決力だけで考えると、ボルダラーがルートクライマーより優れている。
     個別を解決する瞬発的なパワーはある。テクニックにおいても、と言いたいところだが、ボルダーのテクニックとルートのテクニックは、少し違う。

     つまり、これは考え方で、保持しにくい体勢で、上部のホールドを取るには、上体起こしのパワーが備わっていれば、それ自体は難しくない。
     しかし、これをルートのカウンター・Cモードでとろうとすれば、微妙なスタンス、ホールドで身体を維持しながら、たとえばドロップニーで、壁に腰を近づけて手を伸ばす。あるいは身体のひねりを入れて、手を上部に伸ばす。
     あるいは、悪いホールドを押さえながら、大きな動作でカウンターを打つ
     そのようなCモードの合わせ技、つまり1レベル上のテクニックを繰り出すことになる。ボルダラーはそういうことはできないだろう。
     このようにテクニックといっても、位相が違うので、比較が出来ない。

     上体の起こしが人並み以上にできれば、テクニックなしで、遠くのホールドが取れる。一般にボルダリングはフィジカルへの依存が大きい。
     では、ひねり、巻き込み、ドロップニー、大技カウンターのテクニカルなワザに何の意味があるかというと、それによるパワーの消耗は少なさだ。そこにルートの動きの意味がある。ホールドを取るだけなら取れるだろう。でも、それから後が続かないと、意味がない。

     ●目的が違うと動きも違う
     ともかく、両者の目的が違うと動き方も違う。結果、ボルダー課題はルートクライマーは苦手ということは事実だろう。そして、この側面だけ捉えれば、ルートクライマーはボルダリング技術を身につけるべきだ、ということになる。
     ただし、注意したいのは、「典型的な完成したルートクライマー」というのは、一種の架空の話であって、人にもよるが、グレードが12ぐらいでは、必ずしも完成しておらず、偏ったところ、不足している部分を抱えている。むしろ、それを改善した方がいいという場合もある。ケースバイケースだ。

     まして、そこにも至らない状態で、たとえば10半ば~後半クライマーが、ボルダリングを取り入れるとどうなるか? 
     後述する<ボルダラーがなぜルートを登れないか>の説明を読んでいただきたいが、そういう10クライマーのボルダリング練習は、何をもたらすか?
     それは、ボルダラーが<ルートを登れない>問題を、そっくり、10クライマーが自分の動きの中に持ち込むことになる。全員がそうだとは言えないが、そういうベクトルが働く。それがしばしば、ひとつの混乱をもたらす。

  • #6

    川北長雄 (木曜日, 06 6月 2019 11:37)

    きのうで訪問者数が700人/月を越えて、716人になった。一番多い日で41人を記録している。前回600人を越えたのが5月31日だったから、5日間で100人増えたことになる。思えば、最近のクライミング界は、考えるというより、かっこよさばかり、追求していた。こころにぽっかり穴が開いていたのかも。
     本質的なことを言うと、クライミングというのは、社会性が乏しく、もとはと言えばアウトローのスポーツだ。ロシアンルーレットの要素がある。そういう世界に、ジュニアが参加し、ビレイヤーにステージママがついてくる。世の中、変われば変わるものだ。

  • #5

    川北長雄 (土曜日, 01 6月 2019 11:26)

    きのうで訪問者数が600人を越えて、615人となった。10日ほどで100人増えたことになる。PVのページを見ると、「腕のパンプと鉄棒理論」のページが、常にトップで、それもダントツだ。つづいて、「上達曲線」のページになっている。
     「腕のパンプと鉄棒理論」だが、同じ人がそう何回も見るものではない。そして、クライマーの悩みのトップは、ふつう「パンプ」の問題だということはわかる。そうすると、新しい訪問者が見ているのかな、と思う。しかし、そんなに新しい訪問者がいるのとは信じにくいのだが・・。

  • #4

    川北長雄 (水曜日, 22 5月 2019 06:11)

    月間の訪問者数がついに500人を突破した。きのう時点の数字では、訪問者数が月間(4/22~5/21)で505人、PV数(ページビュウ)は1830、モバイル比率が68%。直近の1週では、それぞれ147人,473PV、56%だった。
     もちろん、これ全部、延べ数だから、実数では何割、ひょっとして何分の1ということかもしれない。

     まあ、クライマーの皆様のおかげではあります。ありがとうございます。もっとも、広告も何もないので、1銭もはいってくるわけでなく、それどころか、jimdoにシステム使用料を払っている。

     ただ、訪問者がなぜやってくるのか、私自身にもわからない。遠いところでは、釧路の人(パスワード請求者)もいた。
     HPの告知というかPRは、最初ちょっとやってはみたが、その後は、むしろ身近な人にはしないようにしている。こんなうっとうしい者を読む人はごく限られているし、逆に色目で見られたり、うるさいやつだと思われる。
     お付き合いするときは、人間、馬鹿になっていた方がスムーズだ。これ教訓ですよ。
     
     それはともかく、HPはPVが目的でやっているわけでもないし、だいたい、これはブログではないので、全部読んだら終わり、リピーターがつくわけでもない。最近は、本文には手を入れず、この掲示板の駄文しか書いていないので、PV数はそのうち落ちていくだろう。
     本心を言うと、苦労してきたことを、読み飛ばされるなら、公開なんてしないほうがいいな、と思っている自分がいる。

     その点、いま書いているブログ風の駄文は苦労がなくていい。こんなので、金が入ってくるっていうのは、うらやましい。でも、つまらないかな・・。

  • #3

    川北長雄 (火曜日, 21 5月 2019 10:35)

    訪問者へのお願いと、それに関連して、このHPの方法論を書かなくてはならない ーー
     ある訪問者に、以下のようにご説明させていただいた。原文から、かなり変えてしまったが、これをごく短く、まとめるつもりだ。さしあたって、備忘として、残しておく。
      *        *         *
    お問い合わせ有難うございます。

     パスワード設定の趣旨は、クライミング雑誌などに限らず、メディア業界に多いパクリ防止と、もうひとつあります。

     クライミングの議論とは、盲人が象の鼻を触って「象って細長いものだ」と主張するのに似ています。
     雑誌などに登場するクライマーの話というのは、ほとんどその人の感想ですし、クライミングの解説というのは、印象の積み重ねの域をでていません。
     そして、いちばん怖いのが、それが有名クライマーが言っていることだからと、あたかもセオリーのように広まることです。そして、いちばん迷惑を受けるのが、これからクライミングを学ぼうとしているビギナーの方々です。

     クライミングが何か、を示すのは、先を行く者の責任であり、ハウツー以外なにも触れようとしないとすれば、やはり、思考の怠慢だと思うのです。

     ジムで見るのは、迂回したエントリー(ジャンル横断)で、刷り込みが入ってしまい、それが抜けきらなくなったり、たまたま身体の動きの基本の理解に失敗した、そういうクライマーが実りの少ない繰り返しをやっている。その努力や大変なものです。
     そういうクライマーは、いわゆる「ムーブ」といわれている、ハウツーなど、とっくの昔に分かっているのです。
     テクニックを提示して、うまくいかなければ、テクニック以前のものを考えるしかない。じっさい、クライミングというのは、テクニックを集めたらこと足れリ、というようなものではないのです。

     
     クライミングの身体の動きは、基本的にどうなっているのか、それにチャレンジしようと始めたのが、このHPなのです。
     しかし、いくら多くの経験があるクライマーでも、思考にまで昇華する身体の動きの記憶はごく限られています。できることと、思考に昇華することとは別のことです。そして人にはさまざまな身体のタイプ、特徴があり、とうぜん経験するものが違います。

     体系的な理論を組み立てるには、ひとりの経験的事象では追いつかず、とても一般化に至りません。それに難度の高さは必ずしも、動きの本質に関係しないどころか、むしろ、本質から遠ざかっていく傾向すらあります。
     本質から遠く外れるほど、それを高難度と呼んで、有り難がっているのがメディアであり、クライマーもついそれに乗せられいるようにおもうのです。

     経験のちいさな星をつないで、女神「ニケ」の姿を描くには一人では探しきれない、小さな星を集めて、星座の姿を推測していこう、それが私のクライミング考察の方法論です。その経験の星は、決して高難度クライマーの経験の星ではありません。むしろ、逆でないかと思います。
     あのとき、あの壁の経験の小さな点をつないで、それらの点は、どのような絵を描いているのか?星座の一つ一つの星をつないで、女神「ニケ」の姿を想像するように・・。
     つなぎ方は、これでいいのか、ニケの姿に間違いはないか。このHPはまさに、そういう営みです。
     強い人は、なんでもないありふれたものと思って、星をスルーする。むしろ、始めたばかりの人が、みんながスルーしていた大きな星を見つけている。
     ですから、ここにもこんな3等星があるよ、いや星と星のつなぎ方は、ちがっているよ、そういう思考の積み重ねが、ニケの本当の姿を現前させてくれるはずです。


     そうした意味で、訪問者の体験、ぶつかっている問題、などをお聞きしているのです。

     趣旨がお分かりになったと思います。ですから、できる限り、ご自身の現状を教えていただきたいのです。星座を描くケーススタディを集め、星座の姿に至ろうと言うのが、このHPの営みなのです。




  • #2

    川北長雄 (日曜日, 19 5月 2019 06:16)

    表記のテーマのようなことを考える人は少なくて当然で、このページに投稿などないだろうな、と思っていたのだが、面白い使い方を思いついた。
     最近、お問い合わせされる訪問者の方とメールでいろいろ議論しているのだが、ちょっとしたことでも、私の思考が化学反応をおこす。それが、HPの中に取り入れても良いことが多いのだが、直接入れ込むとなると、編集面も含め、かなり考えなくてはならず、しんどいわけだ。
     そこで、下書きおよび備忘として、このページを利用しようと思う。ブログは、どちらかというと、政治的あるいは社会的なものにして、この掲示板はクライミングだけにする。訪問者の方と話したことだから、遠慮なく反論してほしいし、意見も欲しい。ただし、誰の意見かなど、プライバシーは伏せ、あくまで、私の考えの展開を載せていく。
      *          *          *         *
     さて、最近のやりとりから、ひとつ。
    <トップクライマー達でさえクライミングのいろいろな疑問に明確な答えを持っていない>・・その理由は2つあると思います。まず、かんたんなことから言いますと、傲慢な言い方かもしれませんがーー
     ①登ることと、考えることは、全く違うと言うことです。友人に13を登る人がいるとします。かれは自分のルートはよく考えています。しかし、クライミング一般の話について、また参考になることは聞かないなあ、ということはありませんか?悪口を言っているのではなく、それはそれでいいし、みんな考えること、考え方はちがって当然です。
     そうではなくて、身体運動がハイレベルの人だから、本質論としてハイレベルの話を聞ける、と考えること自体が間違っていると思います。これまでのクライミングの雑誌記事や教本で、ハウツーはいくらでもあるでしょう。しかし、たしかに本質的なものを書くのは難しいとしても、せめて、そのチャレンジだけでも、しているものはありますか?結局、感想程度でしょ。あったら正直教えて欲しいです。

     ② ハイグレードになると本質的なもの近づける、あるいはクライミングの本質が見えてくる・・これは違うように思います。それどころか、その逆で、高難度になればなるほど、クライミングの本質(基本)から遠ざかっていく、ように思います。
     まず、クライミングの本質的な動きは、低グレードで顕著に現れ、その動きの5~9割がクライミングの本質です(比率でいうようなものではありませんが)。しかし、低グレードを簡単にこなせるようになると、動きとしても基本の構造から、遠ざかり、また忘れてしまい、高難度の動きに頭を使うようになります。高難度の動きとは、スポーツ一般の難しい動きであって、かならずしも、それはクライミング特有の動きではありません。難しいから、難しいものを登ったから、本質に近づいている、そう考えがちで、そう考えたい気持ちは誰にでもありますす。しかし、そうではありません。
     世の中というのは、本質は目の前の日常にあるのに、むしろ本質から遠く離れたものを、高難度と呼び、遠く離れれば離れるほど、ありがたがって、それが本質だと考えるものなのです。そこで思考停止できて楽だし、正当性も保証されるので、(パヨク)メディアなどは、好んでそういうことを言うのです。そうでなく、動きの本質は基本的なところにあるのです。
     そういうことができるクライマーは聞きませんが、低グレードから高グレードへ、逆に高グレードから低グレードへ、身体の動きを往復して語れる人が、本質を知っている人です。ちなみに、クライミングのチャンピオンは高難度だけ、語れれば十分なのです。

     イギリス人は英語のエキスパートです。中高生でも英語はしゃべれます。でも、英語がどういう言語か、どのような特徴があり、欠点がある言語か、答えられないでしょ。文法的説明などもできません。それと同じです。このようなことは世の中ににいっぱいあることなのです。ある技術には秀でているが、それの本質的な説明はできない・・それはそれでいいのです。むしろ周りの勘違いが、間違っているのです。みんな面倒なことは考えたくないのです。

  • #1

    川北長雄 (火曜日, 14 5月 2019 08:20)

    このHPを開設してから、ほぼ1年半が経ちました。その間、何のためにこんなことをやっているのか、とめげそうになるときもありましたが、訪問者の方々の励ましで、ここまで続けられたというのが実感です。

     現在、月間の訪問者数は、もう一歩で500人、最近は1日20人を越え、30人近くになる日も出てきました。

     HPの訪問者数が500人などというのは、かなり少ないほうだそうです。しかし、ふつうHPと言えば、有用な情報や写真、時には動画まであり、楽しさいっぱいです。それに比べて、このHPときたら、うっとおしい文章が並んでいて、それも小難しい理屈ばかり。そして、クライミングというかなりマイナーなスポーツの話です。

     そういうHPの訪問者というのは、よほど奇特な人であり、それが500人(延べ数)もアクセスするというのは、私自身、予想しなかったことではあります。

     最近はパスワード希望者の方と、身体の動きについて、意見交換する機会も多くなりました。そういう、クライマー個人が体験してきた身体の動き、そして、その考え方を交換しあい、あるいは、疑問点、問題点を解決する場として、この掲示板を作りました。